オーストラリア単独旅行記(その1)

出発からブリスベン
1997/08/06 - 08/10


−1日目−
Osaka - Seoul

あたふたと準備をと思っていたら、もう出発の日になっている。時間が立つのははやいもの。9時頃に起きて軽く食事をした後に出発。バスとJRを乗り継いで関西新空港に着いたのは午後12時半過ぎ。まだ夏の旅行/帰省ラッシュが始まっていないらしく、意外と人の数は少ない。まだ出発まで3時間近くあるが、とりあえず大韓航空のカウンターに行ってチェックインを済ませる。私のリュックを持ち込みたいと言ったのだが大き過ぎるので預けて下さいとのことなので、小さいバッグを取り外してこれだけを機内に持ち込むことにする。機内持ち込みのサイズを明らかに越えていたので、いたしかたないでしょう。

同じ大韓航空のカウンターで、マイレージサービスであるスカイパスの入会方法を聞いてすぐに手続きをする。残りの航空券のリコンファームについて確認すると、ブリスベンからシドニーへのフライトが、到着後72時間を越えているのでリコンファームが必要とのこと。たった2時間越えているだけなのに、、、、、

現地で両替に時間を取られるのが嫌だったので、現金2万円を、オーストラリアドル(以降ドル)に両替した。

出発の時間も近付いて来たので、搭乗口に向かい飛行機に乗り込む。海外旅行は香港についで2度目で一人旅は始めてということもあって。表面上は落ち着いているように装ってはいるが、こころなしか緊張が走っている。とはいえ、何事もなく離陸。窓から外の景色を見ていると、1時間ちょっとでソウルに到着。


ソウルのKimpo空港のトランジットエリアは、エアコンが効いているとはいえ少々暑い。免税店もさほど大きくなく、一通り見るとすぐに飽きてしまう。

ロビーにあるテレビには、グアムの近くで墜落した大韓航空機の映像が写っている。音声は韓国語なのでさっぱり分からないが、視線は画面に釘付けになってしまう。回りの人も同じようで、ほとんどの人がじっとテレビを見ている。これから大韓航空機に乗る人間としては気分のいいものではない。でも、事故があった後だから慎重に整備するはずだから大丈夫と自分にいい聞かせる。ブリスベンに向けて飛び立つ時は、無事着陸できるようしっかりと祈ってる自分に気づく。


−2日目−
Brisbane

朝5時前には機内の電灯が着き、朝食のサービスが始まる。あまり寝られなかったのに、早い時間に起こされるととても眠たい。でも、朝食はしっかり食べる。

朝6時半頃に、無事ブリスベン空港に到着。イミグレーションと税関を何事もなく通過しオーストラリアに入国。ロビーに出ると、当然とはいえ案内板やアナウンスはすべて英語だし、行き過う人も東洋系の人が少なく、ここまで来てはじめて異国の地に来たんだという実感が湧いて来る。

とりあえずインフォメーションで、ブリスベンに関係するパンフレットを探す。今日は市街を観光する予定だが、どのようにして、どこに行くかも決めていないのである。見つけたパンフレットを見ながら、今日の予定をどうしようかと考え、結局、地球の歩き方の通りに、まずは CityHall に行き、その周辺を歩くことにする。

インフォメーションでテレホンカードを買った後、Cityと呼ばれる街の中心の方に行こうと、Cityへのバス乗り場を探す。空港の出口を出たところにあるらしいが、それらしいものは見当たらない。ひととおり空港を回って元の場所に来ると、目的のバスが止まってではないか。早速、乗り込もうとするが、運転手がいない。どすればいいのだろう回りを見回していると、人の良さそうなおじさんに声をかけられる。

"City ?"
"Yes"
"Do you have a ticket ?"
"No"

"インフォメーションの奥のカウンターで買って来い。2分後に出発するから急げ。"(というような意味の英語)と聞いて、急いでチケットを買いに行く。実は、このおじさんが運転手だったのである。

このCityへのバスは10人程しか乗っていない。窓際の席に座り、バスの窓からブリスベンの街に目を走らせる。道沿いには、たとえ小さくても庭があり2階にはバルコニーがあるような作りの家が多い。普段見慣れていない街並みは、見ているだけでも楽しい。

30分ほどでバスはCityに入り、道を離れてスロープを登りトランジットセンターの2Fに着く。このトランジットセンターの2F(日本流にいえば3階)は、空港バス、長距離バスのターミナル、ツアー会社などのカウンターなが集まっている。1Fには、インフォメーション、テイクアウトや銀行などがあり、GFが鉄道の駅(Roma Street station)となっていて、便利な建物である。

バスから降りると、また役立ちそうなパンフレットを集める。ここのインフォメーションにおいてあった市街値の地図が詳しく、これからとても活躍する。待合コーナー(?)の椅子に腰かけて、この地図を見ながら、CityHall への行き方を調べる。

そう遠くないとわかったので、歩いてCityhallと呼ばれる時計台に向かう。トランジットセンターからCitihallへの道は、ごく普通の都市の姿をしているが、交差点の横断歩道には歩行者用ボタンがついていて押さないと青にならない場合があるなど、戸惑うこともあった。

10分ほど歩いて、CityHallに到着。建物は歴史を感じさせるような重厚な作りをしている。結構その中に入ってみると、古い作りになっているのがよくわかるが、歩いて面白いようなところはなかった。そのまま近くの繁華街をゆっくり歩いたあと、時間があるのでチャイナタウンまで歩く。

チャイナタウンには、中国風の門や建物があることはあるという程度。それよりも中華料理など中国に関係する店が多い、どこにでもあるような中華街である。わざわざオーストラリアで見るような街でもないと思い、また地図を広げて、次の行き先を探す。
(良く考えると、どこにでもあるというのは実はものすごいことだ)


結局、近くの駅から電車にのってサウスブリスベンに移動することにする。都市の市街地を走る電車で結構人も乗っているのに。自分でノブを回しドアを開けないといけないのに驚いた。

サウスブリスベンに到着後、駅のすぐ近くにある、The Queensland Musiam を見学。(参照リンク) ここは無料だけどかなり豊富な内容でした。私の場合、語学力がついていかず説明文がよく理解できないのが、見るだけでも興味深い内容が多い。

博物館を見た後、ブリスベン川の南側に公園に沿って歩く。公園の緑と、川の水、対岸のビルのコントラストが面白い。昼食として公園内にあった店でハンバーガーを頼む。出てきたハンバーガーは、日本のマクドナルドの4倍はあろうかというサイズ。これ一個だけで結構お腹が膨れた。

しばらく歩いた後。川岸にあるベンチに腰かける。暖かな日差しと、ゆったりと流れる時間がとても心地良い。夜行便のつかれか、つい1時間ほどうたた寝をしてしまう。これも非常に心地がよい。

 少々寒くなってきたので、Cityの中心部に向かって歩き始める。CityHallの近くをt通り、トランジットセンターの横を通り、結局、今日宿泊するブリスベンYHまで歩いてしまう。BrisbaneのCityと呼ばれる範囲は、意外に小さく、時間さえいとわなければ、十分に歩ける範囲にあるようだ。

早速チェックインする。レセプションであと2泊したいと告げるが、部屋は一杯とのこと。明日は、宿探しから始まるのかとおもうと少し不安になってしまう。同部屋の人は自炊らしいので、私は一人でトランジットセンターまでもどって、夕食としてまたハンバーガーを食べる。こういう時は一人だととても淋しい。


−3日目−
Brisbane

朝起きると、窓の外は明るくいい天気である。今日は、まず今日の宿を探さないといけない。バックパッカーズハウスも考えたが、荷物をひろげることができるホテルを探すことにする。朝8時半頃にYHをチェックアウト。その足でトランジットセンターに向かう。

トランジットセンターの中のインフォメーションのおばさんに、「今日と明日のホテルを探している、あさって空港に早くいかないといけないので、すぐ近くがいい」と伝えて(本当に伝わったかは?)、ホテルを探して貰う。いくつかピックアップしてもらった中から、私が一番安いホテルを選ぶ。おばさんがそのホテルに電話を掛けるが、出ないようである。9時15分になったらもう一度来てくれということになったので、私は、トランジットセンターの中の、TakeOutの店で朝食がてらトーストのコーヒーを頼んで、待つことにする。

時間になったので、先ほどの場所までもどり、またホテルの予約をお願いする。さきほどの1つめのホテルは満室だったのて次のホテルを頼む。2つめのホテルで予約ができ、2泊95ドルの料金の1割を払って手続き完了。今日の宿が確保できてひと安心である。ついでに同じトランジットセンターにある旅行会社のカウンターで Sunshine Coast への One Day Tour も予約しておく。


荷物を背負って、Myers 地下バスセンターまで歩き、コインロッカーに荷物を預ける。そこからLone Pine Koala Sanctuaryに向かうバスに乗る。 (参照リンク)

着いて見ると、意外なほど小さな動物園で、1時間で一通りまわれるくらいの大きさ。園内では、カンガルーに餌をやったり、コアラを抱いて写真を取ることができる。ニューサウスウエールズ州ではコアラを抱くことが州の法律で禁止されたらしいが。ここクイーンズランド州では大丈夫らしい。


一度Cityに戻ったあと、Mt. Coot-thaに行くバスに乗る。地球の歩き方を読んでいるとおぼしき日本人5〜6人が同じバスに乗っている。

急な坂を登って山の頂上に着き、バスから降りる。一緒に降りた10人位はみんな帰りのバスの時間をチェックもせずに展望台に向かうのを横目に。私はしっかり時間を確かめる。地球の歩き方には3時45分とあったが、3時15分に1本あるだけである。

町の眺めは、 実際、帰りのバスの時間になったが、結局バスに乗ったのは私だけ。同じバスで来た彼らは、いったいどうしたのだろうか。

途中のバス停で、下校途中と思われる女子高校生の一段が乗り込んで来てバスはほぼ満員に。予期せず、私は若い女の子に囲まれたのだが、うるさいのはオーストラリアでも同じ。どんなことを話しているのだろうか、と聞いてはみたものの早口過ぎてほとんど理解できない。日本と違うと思ったのは、他の人が乗ってきたらにっこり微笑んで席を譲った時。こういうのをみるととても気分がいい。


Cityに帰ってきたあと、夕食は商店街の地下にある Food Center と呼ばれる Takeout の店が集まっているところで済ます。帰りに見つけたボトルショップで、この近くでつくられたビールはどれかと聞いて、4種類を1本ずつ購入。銘柄を覚えていないのは残念である。

ホテルに戻りシャワーを浴びたあと、テレビを見ながらビールを飲む。苦みが強いのが印象的だった。


−4日目−
Brisbane - Sunshain Coast - Brisbane

Sunshine CoastへのOne Day Tourに参加するため、朝8時にトランジットセンターに行く。しばらく待つと、いろんなホテルでピックアップした客を乗せたバスが3台ほど到着。一旦全員降りたあと、行き先に分かれて乗車。同じコースには、日本人らしき若い女の子4人組、ヨーロッパ系の子ども連れの家族、老夫婦などがいたが、一人で参加しているのは私だけ。やはり一人旅だと金がないのか使わないのか、このようなツアーは利用しないようだ。

まずビッグパイナップルという、大きなパイナップルがある農場を訪れる。ここはパイナップルがメインのはずなのに、コアラやカンガルー、エミューがいるエリアがあるなど、観光客向けの施設で、特に見るべきものはなかった。

出発時間である11時になったところで、バスの運転手が人数を数えはじめる。なぜ首をかしげているだろうかと思っていると、どうやら3人足らないらしい。それから10分ほど待った後、運転手がもう一度人数を数えた後、窓口に何か伝えに行った。バスに戻ってくると、すぐにバスが発進する。3人はどうなったのだろうと思っていると、運転手はバスを走らせながら、「我々は十分に待った。彼らはタクシーで帰るのだろう。そうでなくても、明日の同じ時間になればバスが向かえに行くので大丈夫。」とアナウンスした、車内には笑い声が溢れる。日本だと、お客を置いていくとは考えられないけど、オーストラリアでは普通のことなのだろうか?


次に、ジンジャーファクトリ−を訪れる。実は今まで私は Gingar が、ショウガだとは知らなかった。辞書も引いていなかったとはちょっとはずかしい。ここに着くと、スタッフに小さな動物園のようなところに案内される。そこでコアラの生態について説明を受けたのあと、実物のコアラが登場。スタッフがだれか抱いてみないかというと、ある若い女性が名乗りをあげる。実際は、コアラを抱いくというより、木のようにじっといる体にコアラにしがみつく、という感じである。この様子をスタッフが写真にとると、5ドル(?)をその女性に請求する。有料とわかると、ほとんどの人が一斉に立ち上がって、ばらばらと歩き出していく。もちろん私もその一人。このような観光客相手の見せものは面白くない。


昼すぎに、Sunshine Coastの中のNoosa Headと呼ばれているビーチに到着。ここが今日の一番の目的地である(参照リンク)。季節は冬なのだがビーチは海に入れるくらい暖く、水着になって砂浜でくついでいる人やビーチを散歩している人も多い。中には岩影で、トップレスとなって肌を焼いている女性もいた。遊歩道をゆっくり歩き、ゆったりと眺めを楽しむ。


Cityに帰ってきた後、一度ホテルに戻る。ホテルのフロントで、明日速くに空港に行かないと行けないというと、鍵を机の中(要は外から見えないところ)に置いておけ、とのこと。


夕食を何処で食べようかと探していると、ブリスベンのMyerの地下1階にある店(名前は失念)で、大柄なウエイトレスが音楽に合わせて踊っている。ノリが良い客の一人のおじさんも合わせて踊る。見ていて面白かったので、この日の夕食はここに決める。ステーキサンドイッチを頼むと、日本でいう食パンに、同じ大きさのビーフステーキと、トマトやレタスなどを挟んだ大きなサンドイッチが出てくる。思いっきり口を開けないと入らないのだが、これがなかなか美味しい。

また同じ曲がかかると、ウエイトレスが踊り出す、この「のり」が陽気さなのだろうか、見ていて楽しかった。ここで写真をとっておけば良かった。腹も膨れたあとは、ホテルに帰って荷作りをしたあと、シャワーを浴びて、ビールを2本飲んで早い目に寝る。


−5日目−
Brisbane - Sydney

飛行機の時間に間に合わせるために朝5時に起きる。さっさと着替えてフロントに行き、外から見えないようにカウンターの内側に鍵を置く。これでチェックアウト完了。外はまだ暗く人通りは少ないが、思ったほどは寒くない。リュックを担いでトランジットセンターまで歩いていく。トランジットセンターから、空港バスでブリスベン空港に向かう。空港バスのパンフレットでは、Domastic Airport, International Airport の順に止まるとあるのだが、先にInternational Airportに着く。うっかりしていると乗り過ごしてしまったかも知れない。あぶないあぶない。

空港に入ると、搭乗手続きのためすぐに大韓航空のカウンターに向かう。だれも並んでいないカウンターでチェックイン。シドニーの街を回るように飛行機が旋回するので、左側の窓から市街地がとても奇麗に見えた。


その2へつづく


両替レート

関空の中で現金両替の一番いいレートで1オーストラリアドル/99円程度。実はこのレートはとても悪いのです。ブリスベン/シドニーの空港でさえ1ドル/95円前後、銀行の表示では1ドル/94円程度、円のトラベラーズチェックなら1ドル/87円程度のレートもあった。トラベラーズチェックの方がレートがいいと知ってはいたが、7円も違うのは、正直いって驚き。旅行中にVISAカードで払ったものは、1ドル/88円前後で決裁されていので、現地でクレジットカードでキャッシングするのもいいかも知れません。

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テレホンカード

私が買った10ドルのテレホンカードは10.40ドル分使えました。でも、このテレホンカードを使う最大のメリットは、電話を掛けるために使い慣れない小銭を用意しなくてもいいこと。日本への国際電話、現地の友人への電話、ホテルの予約などにとても重宝した。日本への国際電話は、30秒ぐらいで1ドル20セント位だったので、スーパージャパンダイレクトなどよりも有利と思う。

カードで電話を掛けていて残り金額か足りなくなった時、コインを入れても受け付けてくれなかった。これは仕様なのだろうか?

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ブリスベンYH

97年版「地球の歩き方」によれば、ブリスベンYHは全室二人部屋で非常に奇麗となっているが、泊まった部屋は4つベッドが並んだ4人部屋。YHとしては満足できるレベルであるものの、特に奇麗というわけではない。

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関連リンク


Written by Yasushi@tierra.ne.jp.