大韓民国旅行記(2回目の渡航)

South Korea, Mar. 1999.


−準備編−

前回の旅行でも会った韓国の友人K氏の結婚式に出席するための旅行である。今回は、急に決めた話で、月曜日になってから同じ週の金曜発/日曜着の航空券を探し始める。しかし週末の最も混む日程ということもあり、問い合わせた多くの旅行会社にさじを投げられてしまう。このままでは正規運賃で飛ぶことを覚悟しない行けないか、と焦り始める。(もっとも正規運賃でも、チケットが取れる保証はないが)

各航空会社の路線や、釜山へのフェリーなどいろいろ調べて、あちこちに問い合わせをして、結局、アカデミートラベルで、格安航空券を確保できることに。行程は、大韓航空(KAL)大韓航空の関空(KIX)−釜山(PUS)−大邱(TAE)、釜山−関空と決まりました。

−1日目−
Osaka -> Taegu

準備もそこそこに出発。まずは関西国際空港(KIX)内で航空券を受け取り、すぐにチェックイン。出国ゲートに向かうが、今回もX線検査のゲートで引っかかって止められる。今回の原因は、スニーカーの金具だったようである。


搭乗した飛行機は、MD83という小さめの機体。飛行機は予定通り関空を出発し、1時間ちょっとで、釜山・金海空港(PUS, Kimhae Airport)に到着。関西空港でチェックインした時には、釜山で降りる必要はないという説明だったが、乗客は全員が降ろされ、トランジットエリアで待たされる。

釜山の国際線ターミナルは搭乗ゲートが4つしかない小さなもの。全部のゲートが空いているのに、なぜか離れた場所に止まり、バスでターミナルまで移動させられる。トランジットのカードをもらってしばらく待った後、改めて搭乗する。離陸後すぐの機内サービスのコーヒーを半分も飲まないうちに着陸体制に。釜山−大邱間はたったの25分のあわただしい時間だった。。


大邱空港(TAE, Taegu Airport)も小さな空港で、滑走路を移動中に、軍用とおぼしきヘリコプターなどが見える。誘導路は踏切のようになっていりつ部分があり、飛行機は、車を通る道路を横切って空港ターミナルに到着する。

入国手続きを済ませて空港ロビーに出ると、新郎の友人K氏が私の名前を書いた紙を持って待ってくれている。地理も不案内だし、K氏とも面識がなかったのでとても助かった。そのK氏は免許停止中らしく、タクシーで大邱市内まで移動する。

途中、繊維機械の輸出をやっているという職場にしばらくお邪魔をしてから、同僚の方の車で、Hilltop Hotelまで案内してもらい、KK氏の会社の優待価格でここに泊まる。 ホテルの部屋は清潔で広く快適だが、駅から遠く交通の便はいまいちのような気がする。もっとも実際には公共交通機関では移動してないので良く分からないが。

夕食は、先ほどのKK氏と待ち合わせて、カルピ焼肉を食べに連れていってもらう。お酒はソジュ(韓国の焼酎)を少々味わうことができ、とても満足。なんど、ご馳走になってしまう。明日の結婚式に向かう待ち合わせの時間の約束して別れる。

−2日目−
Taegu -> Hayaan -> kyonju

いつも通りの時間に目覚める。待ち合わせまでには少し時間の余裕があるので、Taegu Towerに向けて散歩することにする。ソウルタワーのような展望台があると思っていたのだが、近くに行って初めて遊園地だと気がついた。結局、時間が早過ぎてまだ入場ゲートが開いていず、中には入れずしまい。

さて、待ち合わせに少々遅れて現れたK氏の上司の車に乗せてもらい、結婚式が行なわれる、河陽(Hayaan)を目指す。途中、日本と同じような「鼠とり」を発見。片側4車線の広い道での速度取締りで、何台かは捕まってるようである。この後は車は順調に幹線道路を走り、目的地に近付いていく。街の中心部に向かう道に入ると、いきなり渋滞。このあと道を間違えたこともあって、式の開始には少し遅れてしまう。


訪れた結婚式場は、日本でよくある教会での式に近い形で、式場の中には親類の方々が席に座っていて、同窓生や友人達は入口の外で立って見ている。外の友人たちは、お互いに自由に喋りあったり歩き回ったりして、形式ばったところはまったくない。

新郎新婦は,タキシードとウエディングドレスでしたが、年配の親戚の女性はチマチョゴリをきている人もそれなりにいる。友人たちは普通のスーツ姿で、黒いスーツに白いネクタイという日本の略礼服姿は私だけ。

式の進行の様子は、後ろからだと良く分からなかったのが残念。式自体は30分弱で終って、あとは記念撮影の時間に。式場の舞台(たぶん結婚を誓った場所)が階段状になっていて、新郎新婦を中心に後ろに親類が並んでの撮影、つぎに友人並んでの撮影なのだが、当然のごとく韓国語でしか案内がないのでどうしたらいいのかわからず少し戸惑ってしまう。そうこうしている間に式は終了。


結婚式のあとに、結婚お祝いとして日本から持っていった清水焼きの2つセットの湯のみをプレゼントとして新郎に渡す。でもほとんど話す時間がないが、主役である新郎新婦は忙しいので、これは仕方がないことですね。新郎新譜はこの式のあと、親類を中心にパーティ(披露宴?)だそうです。


新郎のK氏に友人と紹介してもらった人達と一緒に食事をしたあと、この中のB教授の車に乗せてもらい、日本語を勉強しているS女史、韓国人学生のM氏、日本人で韓国に住んでいるK女史の計5人で、慶州に向かう。これも、新郎K氏がアレンジしてくれたものです。

片側1車線の山道は車も少なく快適で、1時間ほどで慶州に到着。時間が少ないのであちこちまわることはせず、まずは有名な仏國寺に向かう。このお寺の雰囲気は、ソウルの宮殿に似ている。日本のお寺とも似ているが、今の日本のお寺にはない鮮やかな色使いが印象的。疑問に思った事をすぐに聞く事ができて、とても嬉しく、面白い。

このあと、石窟仏を見に連れていってもらう。ここには石でできた洞窟の中に大きな石の仏像がある。残念なことに痛みが酷くて崩れたらしく。今はガラス越しにしか見られないし、撮影も禁止されている。

外に出ると既に日が傾いていて、風も強くなってきていてとても寒い。昼間での陽気が嘘のように思えるくらい。ここは修復の資金集めに瓦に言葉を書いて奉納(?)するという、日本と同じような事をしていた。


また車に乗せてもらい、慶州のホテルにチェックインした後、夕食と食べにレストランに案内してもらう。この店は、生野菜にご飯を包んで食べるのですが、ちろん、食べ切れないほどの小鉢が出てくる、韓国の一般的なスタイルで、辛い香辛料をちょっと付けて食べるとかなり美味しい。

食事のあと、喫茶店に案内してもらう。普通の家を改造したような店で、入口を見るだけではとても喫茶店とは思えない。中もいくつかの小部屋に別れていて、その一室に入る。ハングルのメニューを読んでもらい、私は、蜂蜜とよもぎが入ったお茶を注文。実はとんでもない味だったら、と恐れていたのだけど、出てきたものはほんのりと甘みがあって、意外と美味しい。

また、この喫茶店のテーブルには、数冊のいわゆる「らくがき帳」が置いてある。韓国では。このような店ではらくがき帳が置いてあるのが普通だそうな。しっかりと日本語でメッセージを書いてきたが、これを読んでくれる人は何人くらいいるだろうか?


また車でホテルまで送ってもらう。少し時間があったので、ホテル内のダンスホールに入る。かかっている曲はリズム感のある韓国のものばかりで、雰囲気も悪くない。しばらく飲んだあと、誘われて何年ぶりで踊ることに。体が動かん :-) しばらくして部屋に戻り、M氏と同じ部屋で寝る。

−3日目−
Cheju -> Pusan -> Osaka

一緒に泊まったM氏と一緒にホテルを出て,タクシーで高速バスのターミナルに移動する。ターミナルの中の自動販売機で高速バスのチケットを買おうとするが、これまたハングルの表示しかなく、またM氏の助けを借りる。日本でも、日本語が読めないと相当苦労するのだろうと実感する。

バスの出発まで時間があったので近くの食堂で朝食を食べる。これまたメニューがすべてハングルでまるでわからない。頼ってばっかりで申し訳ないと思うつつも、M氏にお願いして適当に注文してもらう。出てきたのは韓国の一般的な朝の定食だそうです。


朝食後、高速バスにのって、釜山・金海空港に向かう。このバスはシートはすべて皮で、深いリクライニングにフットレストがあったりと、高級な作りであるが、ハングルの表示しかなく読めないと不便である。1時間に1本の運航らしいが、私が乗ったバスにはたった4人しか乗っていない。これでは経営が成り立たないように思うのだが、、、、


バスに揺られる事1時間弱、予定より早く空港に到着。1時間前にもある大阪への便にも十分間に合う時間で、この時間なら、あとのバスでも良かったくらい。この空港でお土産として、海苔と韓国の酒を購入して、韓国を出国。飛行機に乗るころにはまわりは日本人が多く、もう帰国した気分なってしまう。

−最後に−

今回は、新郎の友人が変わるがわる案内してもらえたので、迷う事なく非常に充実した旅行でした。案内してもらえた事はもちろん、普段あまり知り合う機会のない韓国の友人が増えた事は、私にとって非常に嬉しく、忙しいのに手配してくれた新郎に感謝してます。少し残念なのは、実質2日ととても短かくあっという間に終ってしまったことと、準備の時間が少なく、訪れる場所についてほとんど知識がなかったこと。また、時間を作ってゆっくり訪れてみたいと思ってます。

韓国では結婚式の案内は1〜2週間前が一般的なのだそうです。結婚祝いも、日本と同じくお金を包んで渡すのが普通だそうです。新婚旅行は、経済危機の前だと海外に行くことも多かったそうですが、最近は国内旅行が中心だそうです。

最後の最後に、この旅行記として公開するという了解をとっていないので、登場人物はイニシャルで書いてます。


関連リンク


Written by Yasushi@tierra.ne.jp.